頑張る中学生を応援するかめきち先生です。
今回は
証明問題の仕上げの部分となる
「記述のポイント」についてお話をしていきます。
前回、
「数学。証明問題、解き方と記述のコツ!その1」の中で、
証明問題は3ステップの順番で
問題に取り組むというお話をしました。
今回はその続きで、
ステップ3の
③証明の記述を行っていく
からお話をしていきます。
前回の記事を読んでいない人は
こちらから確認してみて下さい。
③証明の記述を行っていく
前回の繰り返しになりますが、
ステップ2で
証明に必要な「証拠とそれから言えること」が
しっかりと整理できていれば、
あとはそれらの材料を使って
どのように証明文を書いていくのか
ということになるので、
書き方のコツさえマスターしてしまえば
そんなに難しくないです。
ステップ2で整理した情報は
下記のとおりでした。
(証拠)
●の部分の角度が同じ(問題文に書いてある)
青の辺の長さが同じ(問題文に書いてある)
赤の辺の長さが同じ
(それから言えること)
「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい。」
⇒△ABCと△DBCは合同といえます
これらの情報を使って
記述をいよいよ行っていきますが、
証明文を書くときに
頭に入れておいてもらいたい
大きなポイントが1つあります。
それは
証明文には「型」がある
ということです。
いろいろなことが書いてあって
難しそうにみえる証明文ですが、
じつは
文章の「型」というものが
決まっていて、
その「型」にあてはめて
文を書いていっているだけなのです。
「型」というのは、
「決まった形やパターン」という
意味です。
それでは
証明文の「型」は
どのようになっているのかというと、
つぎのような形になっています。
証明文の「型」は
3つのパートに分かれています。
「注目」の部分は、
「これから証明をしていくのに
注目する図形はこれですよ」ということを
宣言するところになります。
「証拠」の部分は、
「言いたいこと(=結論)を
証明するための証拠が
これだけあるんですよ」ということを
述べるところになります。
「証拠から言えること(条件)と結論」の部分では、
「集めた証拠から
こういう条件が言えて、
この証明で言いたいこと(=結論)を
導くことができるんです」ということを
最後のまとめとして述べていきます。
それでは
実際の証明文はどのようになるのかというと、
今まで見てきた例題の場合だと
次のようになります。
それぞれのパートごとに
詳しく説明を行っていきます。
「注目」のパート
ここでは
これから証明を行っていくのに、
「注目して取りあげる図形」について
宣言を行います。
今から
△ABCと△DBCが合同であることを
いろいろと証拠を集めて
証明を行っていくので、
ここでは
「△ABCと△DBCにおいて」
と書いていきます。
ここで注意点が1つあります。
合同の図形を証明する場合であれば、
注目する図形を書くときに
頂点を対応する順番に
書かなければいけない
ということです。
例えば
「△ABCと△CBDにおいて」だと
頂点の順番が対応していないので
NGです。
※「証拠」や
「証拠から言えること(条件)と結論」の
パートで、
合同な図形の角度や線を表す場合も
頂点を対応する順番に書かなくては
いけません。
例:∠ACB=∠DCB ⇒ ○
∠ACB=∠BCD ⇒ ×
「証拠」のパート
ここでは
△ABCと△DBCが合同であることを
証明するために、
集めた「証拠」を書いていきます。
次のステップ2で整理した
「証拠」をならべて書いていきます。
(証拠)
●の部分の角度が同じ(問題文に書いてある)
青の辺の長さが同じ(問題文に書いてある)
赤の辺の長さが同じ
この「証拠」を記号を使って表すと
次のようになります。
∠ACB=∠DCB
AC=DC
BC(△ABCの)=BC(△DBCの)
この「証拠」を書いていきますが、
ここで注意点が2つあります。
1つ目は、
「証拠」を書く時に
その理由(~から、~より)を必ず書く
ということです。
「AC=DC」といきなり書いては
いけません。
なぜ「AC=DC」なのか
理由を必ず書きます。
この場合は、
問題文に「図でAC=DC、∠ACB=∠DCBのとき、」
と書いてあるので、
「仮定から」という理由を書きます。
※「仮定から」は
「問題文に書いてあるから」という意味です。
「∠ACB=∠DCB」についても
同じように問題文に書いてあるので、
「仮定から」のくくりに入れてしまいます。
また
BC(△ABCの)=BC(△DBCの)については、
線が重なっていて共通の部分なので
「共通な辺だから」という理由を書きます。
2つ目の注意点は、
「証拠」それぞれに番号を振っておく
ということです。
次のパートで
「証拠から言えること(条件)」を
言うときに使用するので、
必ず番号を振るようにします。
3つの証拠があるので、
それぞれ①、②、③と番号を振っておきます。
「証拠から言えること(条件)と結論」のパート
ここでは
集めた証拠から言えること(条件)と
それから導き出せる結論(=この証明で言いたいこと)
を書いていきます。
次のステップ2で整理した
「それから言えること」の情報を
書いていきます。
(それから言えること)
「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい。」
⇒△ABCと△DBCは合同といえます
この場合も
いきなり集めた証拠から言えること(条件)の
「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい。」
を書いてはいけません。
なぜその条件を言えるのか
理由(~から、~より)を書く必要があります。
この場合は
集めた3つの証拠から
「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい。」
ということを言うことができるので、
それぞれの証拠に振った番号を使って
「①、②、③より」という理由を書きます。
そして最後に
この証明で言いたいことである結論
「△ABC ≡ △DBC」を書きます。
以上が
証明文の記述のコツになります。
例題は「三角形の合同証明」でしたが、
実際には
「相似の証明」や「平行四辺形であることの証明」など
いろいろな種類の証明問題があります。
それらの証明文は
かならずしもここで習った「証明文の型」に
あてはまるとは限りませんが、
ここで習った「型」をベースにして
文書を削ったり追加したりして
対応することができます。
まずは
ここで習った「型」を
しっかりと身につけるようにしましょう!
まとめ
証明文の記述を行うときの
ポイントについてまとめます。
1.証明文には「型」があり、
「注目」
「証拠」
「証拠から言えること(条件)と結論」の
3つのパートに分かれている
2.「注目」のパートで
注目する図形を書くときは、
頂点を対応する順に書く
3.「証拠」のパートで
証拠を書いていくときは、
「仮定から」など理由を必ず書き、
それぞれの証拠に番号を振る
4.「証拠から言えること(条件)と結論」のパートで
条件を書くときには、
理由として「①、②、③より」など
証拠に振った番号を必ず書く
あきらめなければかならず出来るようになります!
頑張る中学生をかめきち先生は応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。