高校受験。都立高校、入試の仕組み(一般入試)。

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頑張る中学生を応援するかめきち先生です。

今回は、かめきち先生が家庭教師として
活動している地域である
東京都の都立高校入試の仕組みについて
お話をしていきたいと思います。

都立高校の入試は
「推薦に基づく入試(推薦入試)」と
「学力検査に基づく入試(一般入試)」に
分けることができますが、
今回は多くの生徒が対象となる
一般入試についてお話をしていきたいと
思います。

※推薦入試については
こちらの記事を参考にしてください。

 

各都立高校の入試実施方法の一覧表

都立高校の募集案内(日程や出願書類など)については
東京都教育委員会のホームページに
記載があります。

<<東京都教育委員会 令和2年度東京都立高等学校募集案内>>

その中に
「令和2年度入試実施方法一覧」という
PDFファイルがあり、
各都立高校の入試実施方法が
一覧表にまとめられています。

<<東京都教育委員会 令和2年度入試実施方法一覧>>

この一覧表には各都立高校ごとに
実施される試験科目や、
点数の配分割合(学科試験と内申の配点割合)、
面接の有無など、
試験がどのように実施されて、
学科試験の結果や内申が
どのように評価されるか
ということがまとめらています。

この一覧表の見方を
マスターすることができれば
都立高校の入試の仕組みを
理解することにつながるので、
表の見方の説明を中心に
行っていきます。

※表の赤枠が
一般入試に関わる部分です。

一覧表で自分の希望する高校や、
興味のある高校の欄を見ながら、
この後の説明を読み進めていってください。

「第一次募集・分割前期募集」「第二次募集・分割後期募集」について

募集の方法については、
「第一次募集・分割前期募集」と
「第二次募集・分割後期募集」に
分かれています。

「第一次募集」「第二次募集」は、
「第一次募集」で試験を行い
合格発表を経た後に、
入学手続きを行う人の数が
募集人員にまで足りなかった場合に、
「第二次募集」が行われることに
なっています。

逆に「第一次募集」の試験の結果、
入学手続きを行う人の数が
募集人員に達した場合は、
「第二次募集」は実施されません。

「第一次募集」「第二次募集」に対し
「分割前期募集」「分割後期募集」は、
あらかじめ募集人員を
前期・後期の2回に振り分けて
試験を実施します。

例えば、
前期入試(分割前期募集)では、
男子100名、女子90名、
後期入試(分割後期募集)では、
男女の区別なく30名、
の募集を行うといったように、
募集人数があらかじめ決められています。

一覧表の中で
「分割募集」の項目に〇がついている学校が、
「分割前期募集」「分割後期募集」を
行う高校です。
※「第二次募集・分割後期募集」の欄が
灰色になっているところは、
募集形式が第二次募集ではなく
分割後期募集であることを表しています。

入試の日程については、
「第一次募集」と「分割前期募集」、
「第二次募集」と「分割後期募集」で
同一の日に実施されることになっています。

日程については
下記リンクを参考にして下さい。

<<東京都教育委員会 令和2年度入試の日程>>

「男女枠緩和」について

「男女枠緩和」とは
なるべく男女での合格の機会を平等にしようと
考えられた仕組みです。

どういうことかというと、
全日制普通科の入試は
あらかじめ男女別に募集定員が決められていて、
学力検査などから求められる総合成績が高い順に
合格が決まる仕組みになっています。

例えば、
A校の募集定員が
男子生徒100名、女子生徒100名
だとすると、
男子の中で総合成績が
1位から100位までの人が合格、
同じく女子の中で総合成績が
1位から100位までの人が合格
ということになります。

しかし、この決め方だと
例えば全般的に女子の方が
男子に比べてレベルが高いという場合、
総合成績が男子90位の生徒より
20点高い女子の生徒が
不合格になってしまうということが
起きてしまうことがあります。

このような不平等を
少しでも解消するため
「男女別定員制の緩和」という仕組みが
設けられました。

「男女別定員制の緩和」とは、
男女別の募集定員9割までは
男女別の総合成績の順によって
合格者を決定して、
あとの1割は男女合同の総合成績順に
合格者を決めるというものです。

先ほどのA校の例でいうと、
男子生徒100名、女子生徒100名の
募集定員のうち
男女90名ずつ(募集定員の9割)までは
男女別の総合成績によって合格者を決め、
残りの20名(募集定員の1割)については
男女関係なく
総合成績の高い順に合格者を
決定していきます。

一覧表の中で
「男女枠緩和」の項目に
〇がついている学校は、
「男女別定員制の緩和」を
実施する高校になります。

「合否の決め方」について

上記一覧表の赤枠の部分は、
「合否の決め方」に関わる項目です。

項目ごとの細かい説明は
後で述べますので、
合格不合格がどのように決められるのか
ということについて
大枠を説明していきます。

一般入試における合否の決め方は、
「総合成績」の点数が高い人から順に
募集人員に達するまで合格となる
仕組みになっています。

「総合成績」は、
『①学力検査(学科試験)』の結果から
算出される得点と、
『②調査書点』といって内申から
算出される得点を合計した「総合得点」に、
『③面接、作文・小論文、実技』の得点を
加えたものになります。

『③面接、作文・小論文、実技』が
実施されない場合は、
「総合得点」=「総合成績」となります。

「総合得点(1000点満点)」に対する
『①学力検査(学科試験)』と
『②調査書点』の配点割合は、
「第一次募集・分割前期募集」では
7:3(700点と300点)、
「第二次募集・分割後期募集」では
6:4(600点と400点)とする
学校が多いです。

『③面接、作文・小論文、実技』の得点は、
個人面接を実施して
300点満点で評価するといったように、
各学校ごとに実施事項とその得点を
決めています。

『①学力検査(学科試験)』、
『②調査書点(内申から算出される得点)』、
『③面接、作文・小論文、実技』、
それぞれの得点の計算の仕方については、
あとの項目ごとの説明で
詳しく述べていきます。

「学力検査」について

試験科目

「学力検査」(学科試験)は、
基本的には全日制課程の高校で
「第一次募集・分割前期募集」は
国数英社理の5教科、
「第二次募集・分割後期募集」は
国数英の3教科の
試験が実施されます。

※芸術や体育を専攻する学科を持つ
一部の高校では、
「第一次募集・分割前期募集」においても
国数英の3教科の試験が実施されます。
また、定時制課程や通信制課程の高校では、
基本的には
「第一次募集」「第二次募集」ともに
国数英の3教科の試験になります。

「学力検査」(学科試験)の問題は、
基本的にはどの高校も
国数英社理全て共通の試験問題が
使用されます。

ただし一部の高校においては
「自校作成」といって
自分の学校で試験問題を
独自に作成する高校があります。

実施校は全日制課程の
下の図の高校のほか、
定時制課程の高校の一部や
通信制課程の高校で
「自校作成」の問題による
試験の実施が行われています。

 

学力検査の得点の計算方法

学力検査(学科試験)の得点は、
5教科の場合は
500点満点(5教科×100点)、
3教科の場合は
300点満点(3教科×100点)
になります。

ただし、
学力検査(学科試験)の結果の得点は
そのまま「総合得点」として
記録されるわけではなく、
500点満点(300点満点)中の得点を
700点満点(600点満点)に置き換えた点数に
計算し直して、
「総合得点」の学力検査の得点とします。

計算式は次のようになります。


※学力検査(学科試験)の実施が
3教科の場合は、
700点→600点、
500点(5教科の満点)→300点(3教科の満点)
に置き換えて計算を行います。

実際の計算の例は、
あとで述べていきます。

「調査書」について

「調査書」とは

「調査書」とは
受験生の中学校での成績や出席日数、
学校生活に関することなどが
まとめられたもので、
「内申書」とも呼ばれたりします。

この「調査書」の中に
9教科の5段階評価の成績(内申点)が
記載されていて、
この成績を基に
調査書点が計算されます。

一覧表に記載されている倍率は、
このあと説明をする
調査書点を計算する際に用います。

「調査書点」の計算方法

調査書点の算出は、
内申点(「調査書」に記載されている
9教科5段階評価の成績)を基に
行われます。

内申点は、
通常だと9教科の満点が
45点(9教科×5)となりますが、
都立高校受験の場合は、
一覧表の倍率に従って
内申点を計算し直します。

学力検査が実施される教科は1倍、
実施されない教科は2倍となっているので、
5教科の学科試験が実施される場合は、
国数英社理の内申点はそのまま、
その他実技4教科は内申点を2倍します。

すると
もし9教科の成績がオール5の場合は、
65点満点(5教科×5+4教科×5×2
となります。
※3教科の学科試験が実施される場合は、
75点満点(3教科×5+6教科×5×2
となります。

一覧表の倍率に従って
内申点を計算し直したものを
「換算内申」と呼びます。

この「換算内申」の得点が
そのまま調査書点となるわけではなく、
換算内申点65点満点(75点満点)中の得点を
300点満点(400点満点)に置き換えた点数に
計算し直して、
「総合得点」の調査書点とします。

計算式は次のようになります。

※学力検査(学科試験)の実施が
3教科の場合は、
300点→400点、
65点(換算内申の満点)→75点(換算内申の満点)
に置き換えて計算を行います。

実際の計算の例は、
あとで述べていきます。

「総合得点」の配点について

一覧表の赤枠の部分は、
「総合得点(1000点満点)」における
学力検査の得点と調査書点の
配点割合と、
実際の配点が記載されています。

学力検査の実施が5教科の場合は
「7:3」、
3教科の場合は
「6:4」
の配分であることが
ほとんどです。

「面接、作文・小論文、実技」について

学校によっては
面接や小論文・作文、実技検査が
行われることがあります。

実施される場合には、
一覧表の実施される項目の欄に
評価する際の満点の得点が
記載されています。

※面接の欄に、
「個人」と表示されているものは
個人面接、
「集団」と表示されているものは
集団面接が実施されます。

面接や作文・小論文、実技が
実施される場合は、
それぞれの結果が得点化され、
学力検査の得点と調査書点を合計した
「総合得点」に加算されて、
受験生の最終的な「総合成績」となります。

例を用いて「総合成績」を算出してみます

それでは最後に、
例を用いて「総合成績」の得点を
計算してみます。

都立A高校を受験し、
学力検査(学科試験)は
国数英社理の5教科が実施され、
学力検査と調査書の配点割合は
7:3(700点と300点)、
個人面接は300点満点、
という条件で
試験が実施されたとします。

学力検査の得点の計算

学力検査(学科試験)5教科の結果が
図のような点数になりました。

学力検査5教科(500点満点=5教科×100)の得点を、
700点満点とした場合のものに
計算し直します。
満点(500点)のうち得点できた割合を、
700点にかけて算出します。

学力検査の得点は「511点」になります。

調査書点の計算

調査書(内申書)に記載された成績は
図のようなものでした。

まず5教科の成績はそのまま合計し、
実技4教科の成績は
合計したものに2倍をかけて、
換算内申を計算します。

次に
換算内申(65点満点=5教科×5+実技4教科×5×2)の得点を、
300点満点とした場合のものに
計算し直します。
換算内申の満点のうち
実際の換算内申点の割合を、
300点にかけて計算します。

調査書点は「216点」になります。

面接の得点の計算

個人面接が実施され、
結果は300満点中200点でした。

面接の結果の得点は、
なにもせずに
そのまま「200点」が得点になります。

総合成績の計算

最後に総合成績を計算していきます。

学力検査の得点「511点」と
調査書点「216点」を合計して、
総合得点は「727点」になります。

この総合得点「727点」に
面接の得点「200点」を合計したものが、
総合成績「927点」となります。
※満点は
1300点(学力検査700点+調査書点300点+面接300点)
となります。

この総合成績の高い受験生から
合格者が決まる仕組みになっています。

 

以上が
都立高校一般入試の仕組みの
説明になります。

都立高校の入試の仕組みを
しっかりと理解したうえで、
進学を希望する高校を決めていってください。

高校受験は
最後の最後までネバーギブアップです!

頑張る中学生をかめきち先生は応援しています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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